Gold Aeroplane 5.0.0 について

アップデートの概要

先日,Gold Aeroplane 5.0.0 の公開申請を行ないました。主な変更点は下記の 2 つになります。特にセットアップ(従来,初回ビルドと呼んでいたもの)に関しては,頂くご質問のほとんどがセットアップに起因するエラーに関する内容であるため,入念な対策を施しました。

セットアップの改善

  1. 全データのインストール

    すべてのデータを厳密な順序で取得するようにして安全性を向上しました。処理時間は長くなりましたが,それでもダウンロードを除いて 1 時間以内に終了します。

  2. 破損ファイルの自動回復

    ダウンロードしたファイルが破損していた場合,従来はエラーが発生したことを表示するだけでしたが,問題のファイルを削除した上でセットアップを自動的に再試行するようにしました。なお削除されたファイルはセットアップの過程で再びダウンロードされます。

  3. 処理の細分化

    データ種別ごとのトランザクションにより,中止またはエラーが発生した場合,その時点で処理していた種別のみがロールバックされ,完全に処理前の状態に戻ります。直前までの種別は逐次コミットされます。これにより安全性と効率が向上しました。

コアの選択

  1. 過去バージョンのアルゴリズム

    数値の解釈等の事情により,算出方法の維持を望まれる方もおられます。そこで選択を可能にしました。現時点では STD400 と STD500 の 2 つがあります。STD400 はバージョン 4.0.0 から 4.1.0 まで使用されていたものです。なお内部的には STD500 と同じコアですが,パラメータを変えることで別のコアとして運用しています。

  2. 実装の多様化

    コアに対して求められる仕様は,予想された着順で出走馬を並び替えるための数値を返す事と,馬券を提案する事です。従来はコアが数値を算出し,プリディクタがその結果に基づいて馬券を選択していましたが,現在はすべてコアが担当してプリディクタは廃止されています(内部的には存在します)。これによりデータ構造に制限が無くなりました。

  3. 独自コアの可能性?

    コアは JVTestLib.dll に存在しますが,前述の仕様を満たしていれば,誰でも同様のアセンブリを作成してコアを実装できます。ただし現時点ではドキュメントが存在せず,整備する計画もありません。

  4. 開発時のコアの動的変更

    前項を読む限りでは,標準のコアを外部に置く必要があったのだろうかと思うかもしれません。実際には開発時の効率を上げる事が主な目的です。というのは,プロセスを維持したままアルゴリズム(を含むコアおよびアセンブリ)を更新できれば,キャッシュの関係でテストに要する時間を短縮できるだろうという事です。一方,これにはメモリ使用量の増加とローカライズの問題があります。

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